リサイタル曲紹介⁉️
皆さま、こんにちは!
寒い日が続きますね...ピアノ弾きにとっては本番前の舞台袖で手がかじかむこの季節、何とか乗り越えていきたいです。
手のかじかみ+緊張でなかなか思うように動かない時、僕は自宅から持参したぬるま湯(40°くらい)を洗面台の上で手にぶっかけてほぐしてあげたり、王道ですが手袋をつけたり、相方がカイロを持ってきてくれた時はそれで手を温めたり、取り敢えず手の末端から冷えないようにしています。
それと、効果があるか分かりませんが、国際コンクールの密着ドキュメンタリー番組などで、舞台袖で体を頻繁に動かして運動している演奏者(韓国のコンテスタントだったかな?)を拝見したことがあり、それを真似てストレッチのような運動をしてみたり、不必要にトイレに何回も行ったりして身体を動かし続けて、全身に血流を回すことを心がけています。
演奏後って、凄く身体全身に血が回っていて、この後また同じ曲を弾いたら自分の中でうまく弾けるだろうなって思う時が多々あるんですよ。
その身体の状態を、初めに弾く前に実現できたらいいなと思って、試行錯誤しています。
書こうとしたことからだいぶ話が逸れてしまいました...(申し訳ありません)
今日は来たる3/21(土)、私たち2回目のリサイタルで、加賀町ホールで演奏させていただく二台ピアノ曲を一挙に紹介したいと思います!
今回のリサイタルのプログラムは、まさにショパン尽くし、「ショパン ピアノ協奏曲1.2番」(総演奏時間70分超)、ショパン唯一の二台ピアノ作品である「ショパン 二台のピアノのためのロンド」で構成されています。
これらはショパンの曲を2台ピアノで演奏したい、出来るだけ多くの人に届けたいという我々の思いから組ませていただきました。
絶賛現在練習中なのですが、協奏曲のソロパートを弾いていると、やはりショパンの作る音楽というものは複雑かつ繊細、そして彼の恋心などの心情を旋律で包み込んだような音楽で、まるで難読小説を読んでいる気分になってきます。
最近僕が個人的に弾いていたラヴェルのソロ作品と比べると、ラヴェルは割と直情的に聴衆の心に訴えかけて、想像力を色々かき立てさせる音楽だと思ったのですが、ショパンの曲はどれも(曲差がありますが)聴衆に内を悟られないように、それでいて心を動かすように、緻密に作曲しているなと思いました。
難解な音楽理論については勉強不足ですが、直感的に感じるものがあります。
さて、それではまずピアノ協奏曲の紹介から。
【ショパン ピアノ協奏曲(第1.2番)
Chopin, Frederic:Concerto pour piano et orchestre(No.1・2)】
ショパンの生涯39年において、彼がポーランドに身を置いていたのは出生からおよそ20年間であり、その後はウィーンへ旅立ち、残りの半生をフランス・パリで過ごすことになります。
ポーランドで音楽活動をしていた彼は、10代後半、ポーランドにおいて自らを宣伝するためのオーケストラとピアノのための協奏曲的作品をオリジナルでいくつか作曲し、自らピアノを演奏していました。それらの管弦楽をバックにピアノを調和させる作品を作る経験を活かし、その集大成のような形で、彼が19歳に作曲したものがピアノ協奏曲第2番であり、我々と同じ20歳に作曲したものがピアノ協奏曲第1番です。
どちらも19.20歳で作ったとは思えない甘美かつ壮大なスケールを持った曲であり、どのような人生経験を積めばあのような曲が出来上がるのか不思議に思いますね...(彼の果てしない才能もありますが)
そして、どちらの曲にも共通して根底に流れているのは、ショパンの初恋の相手、コンスタンツィアに対する片思いの念だと言われます。
ロマンチックでどこか物寂しい、哀しげなメロディーが遍在し、全曲を通して甘美な旋律が流れてゆく第2番、そして華やかで決然としているようで時折見せる絶望感が特徴的な第1番、どちらも恋愛に対する惨い、やるせない感情を曲に押し込んだかのようなドラマチックな曲となっています。
ちなみに、ショパンのピアノ協奏曲は現在第1番、第2番しかありませんが、実は第3番を作曲しようと手掛けていたようです。しかし、早期で断念してしまい、路線変更。第3番の誕生には至りませんでした。ショパン自身が自らの作った第1番、第2番の持つ魅力に圧倒され、それ以上の協奏曲を作ることができないと判断したのかもしれません。
また、今年2020年はショパン国際ピアノコンクールが5年に一度開催される年です。当コンクールでの本選(ファイナル)で演奏される曲こそがピアノ協奏曲第1番、第2番であり、コンテスタントはその2曲からどちらかを選択し演奏します。第1番の演奏効果の高さ、規模の大きさ(演奏時間の長さ)から第1番を選ぶ演奏者、そして優勝する演奏者が多数なのですが、ベトナムのダンタイソンは第2番を選択した上でアジア初、当コンクールで優勝しています。
【ショパン 二台のピアノのためのロンド(遺作) Op.73 ハ長調 Chopin, Frederic:Rondo (pour deux pianos) (œuvre posthume) C-Dur Op.73 】
この曲は、ショパンの作曲した唯一の二台ピアノ作品です。ショパンといえば独奏曲、協奏曲が際立って目立っていますが、この曲も隠れた名曲だと思います。
1828年に作曲され、ショパンの死後1855年に出版されました。初めは独奏曲として書かれましたが、すぐに2台ピアノに編曲されました。ショパンの知人であるエルネマンとショパン自身が、ピアノ製造業者の知人の家で演奏したところかなりうまくいった、という手紙を友人に送ったという形跡が残っているみたいです。
一見、ショパンらしくない曲ではあるのですが、やはり途中の優美なメロディー、しっとりとした旋律がやはり彼特有の表現が現れています。さらに、2台ピアノということもあって、独奏曲の場合と比べて立体的に立ち上る音楽が奏でられ、メロディーが第一ピアノ、第二ピアノで交代されて演奏されていく掛け合いも面白い曲です。最後は2人が同じフレーズを奏で、華やかな雰囲気の内で幕を閉じます。
最後に
今回紹介した曲は、3/21(土)加賀町ホール、12:30開場、13:00開演のNao&Yoshiakiピアノ・デュオリサイタル〜2台のピアノで奏でるショパンの調べ〜にて演奏いたします!
さあ、今日もこれから練習だ!(あれ、大学の期末試験は?)
追記:
そういえば、YouTubeチャンネルを開設しました!チャンネル登録お願いします🥺
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動画↓
Piano Duo Nao&Yoshiaki 佐藤善彬