Piano Duo Crewir(旧Nao&Yoshiaki)オフィシャルブログ

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ラ・ヴァルス

前回のブログ更新から少し間が空いてしまいましたが…

 

今回は9/6に演奏する曲のメイン曲の1つ、ラヴェル作曲のラ・ヴァルスについて解説します!

 

この曲はもともと管弦楽のために書かれた曲で、ラヴェル自身によりピアノソロ版や二台ピアノ版に編曲されています。

 

曲のタイトルを原文のフランス語から英語に訳すと、“The Waltz”という訳になり、これぞ正真正銘のワルツですと言わんばかりのタイトルとなっています。この曲自体は、ラヴェルがウィンナワルツへの礼賛として書いたとされています。ラヴェルにとって、第一次世界大戦後そして彼の母の死を受けた後に手をつけた作品の1つです。

 

この曲は、ロシアのバレエ団「バレエ・リュス」の主宰者セルゲイ・ディアギレフがラヴェルに新しいバレエ音楽の作曲を依頼したことから作曲されました。しかし、完成後に二台ピアノ版をラヴェルがディアギレフに聴かせると、ディアギレフはこの曲が傑作であることを認めつつも、バレエには不向きの、いわゆる「バレエの肖像画、バレエの絵」であると発言したため、2人は不仲になりました。 

 

また、ラヴェルは初版に次のような標題を寄せています。

 

「渦まく雲が、切れ目を通して、円舞曲を踊る何組かを垣間見させる。雲はしだいに晴れてゆき、旋回する大勢の人でいっぱいな大広間が見えてくる。舞台は次第に明るくなる。シャンデリアの光はフォルティッシモで輝きわたる。1855年ごろの皇帝の宮廷にて。」

 

この標題の通りに曲が進んでいきます。

ここからは、二台ピアノ版でこれを順を追って解説していこうと思います。

 

まずプリモの低音のトレモロによる渦巻く雲が佇んでいるところをセコンドの刻みにより切れ目を生じさせていきます。その刻みは次第にワルツのリズムへと変化していき、雲が少しずつ晴れ、ワルツを踊る何組かの人が現れ、踊るように色鮮やかな様々なメロディーが登場します。舞台が明るくなり、だんだんと人は増えてゆき、ワルツ自体の盛り上がりも増してきます。そしてフォルティッシモが連発し、たくさんのシャンデリアの光に照らされて大広間での大人数のワルツのフィナーレが構成されるものの、だんだんと破壊的になっていきます。終いには最後の2小節で無理矢理終わらせたかのようにあっけなく終わります。演奏後の余韻がまた楽しみの1つです!