2021/2/21リサイタル曲解説シリーズVol.2
こんにちは。金村です!
今回はリサイタル曲解説シリーズVol.2ということで、
ジョリヴェ:ホピ族の蛇踊り
の解説編その②として、前回の続きからこの曲そのものの解説をしていきます🐍
この曲のタイトルには、とてもとても強烈なインパクトを持つ方が多いと思います。私も
「ホピ族🧑🌾?」
「蛇🐍?!」
「踊り🩰?!?!」
と思いました😂さらに、ショパンなどの作品と異なりマイナーな曲で聴いたことがある方も少ないのではないかと思うので、今回じっくり説明します!
そもそもホピ族とは、アメリカのアリゾナ州に保有地をもつアメリカン・インディアンの一部族です。「ホピ」とは彼らの言葉で「平和の民」という意味であるそうです。この民族には多くの儀式があり、その中で今回の曲のタイトルにもなっている「蛇踊り」は特に有名だそうです。
蛇踊りでは蛇司祭たちがガラガラ蛇などの毒蛇をくわえて踊るそうです。このように言われるととてもグロテスクな儀式なのかと思われるかと思います。数あるホピ族のセレモニーダンスの中で奇跡度と危険度はトップレベルのこの儀式ですが、雰囲気はとても厳かで神聖なものであるそうです。気になりますよね。しかし、ホピ族では自分達の宗教文化を守るため基本的にその文化を部外者に公にせず、またそれにより村内への立ち入りも厳しい上に、地域内での録音録画、写真撮影、さらにはスケッチまでもが禁止されているため私たちがお目にかかることはないです。ホピ族による公開ダンスというものはあるそうですが、それには宗教的要素が全くないそうです。本家本元を見るチャンスは滅多にない、ということですね…💦
作曲したジョリヴェも実はホピ族の蛇踊りそのものは見ていないそうです。恩師ヴァレーズから送られてきた絵葉書に魅了されて、そのイメージからこの曲を作曲したそうです。つまり、ジョリヴェ自身が蛇踊りの絵を見て想像したことが曲に表れていると言えます😃
ジョリヴェは呪術的かつ神秘的な曲の作りに長けていると思います。この曲自身無調的、つまり特に決まった調性を持たず、変拍子である上、グリッサンドや不協和音のトレモロが多く用いられています。これらの使い方がどこか神秘性を持たせている要因でしょうか…。また、静と動の対比と前進感、そして頻繁な2台のピアノによる掛け合いが特徴的です。
私たちも慣れない不協和音たちに格闘しながら、呪術的な表現を求めて練習しています!
楽譜も特徴的で、たまにスラーによる蛇🐍が楽譜上に現れます😅
なんかこの曲気になるかも…と思う方、ご都合がよろしければ是非2/21のリサイタルでお聴きいただければ嬉しいなと思います🐍